GMOインターネットグループの熊谷正寿代表が2026年11月2日午後、同社サービスへの不正アクセス問題について記者会見を開きました。10月21日に問題を公表してから、同社が会見を開くのは初めてです。この記事では、各社の報道で伝えられた会見の要点をまとめます。

冒頭の謝罪

熊谷代表は幹部とともに何度も頭を下げ、「お客さまをお守りすることができず、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪しました。顧客の情報が流出し、顧客の資産が毀損する事故が起きたと説明し、「グループの代表として、これらの事実を重く受け止めております」と述べています。

何が起きたのか

  • 対象サービス:「お名前.com デスクトップクラウド」のFX自動売買専用VPS
  • 侵入:攻撃者は8月20日に顧客名義のVPSへ侵入し、管理者権限を奪っていた
  • 発覚:侵入には約2か月間気づかず、10月20日に不正アクセスが発覚
  • 影響範囲:影響を受けた可能性のある仮想マシンは2万6739台
  • 資産被害:顧客のFX口座が不正に操作され、意図的に損失を出す取引が実行された
  • 身代金要求:10月21日に攻撃者から80億円の身代金を要求されたが、支払いは拒否

サービスは会見時点でも停止しています。

原因:社内の指摘を生かせず

熊谷代表は「本サービスのシステムにセキュリティ上の問題があったことは事実です」と認めました。2024年にはグループ会社「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」の専門家から、システムの脆弱性を指摘されていたといいます。熊谷代表は「この指摘をサービスの運営において生かすことができませんでした」と述べています。

補償

  • FX取引で生じた損失は全額を補償する
  • 情報流出が確認された顧客には、流出した情報の内容に応じて最大300万円の見舞金を支払う

経営責任

  • 熊谷代表を含む役員4人の報酬を減額。熊谷代表は月額報酬の30%を3か月間減額する
  • 熊谷代表が保有する自社株について、全株(発行済み株式の15.95%)を11月11日に消却すると報じられています(ロイター)

SNS投稿への謝罪

熊谷代表は自身のSNS投稿についても謝罪しました。対象は次の3点です。

  • 被害者に関わる事柄に投稿で触れたこと
  • 問題の最中に笑顔の写真を投稿したこと
  • 自社の陸上部について投稿した人へのコメント

熊谷代表は「いずれも被害に遭われた方のお気持ちへの配慮が欠けておりました」と述べました。SNSでの発信の休止にも言及したと報じられています。

会見への評価

共同通信は、熊谷代表が涙を浮かべて陳謝した一方で、事案についての新たな説明は乏しく、企業理念やサイバー攻撃をめぐる持論を語る場面が多かったと報じています。具体的な再発防止策は、確認できた報道の範囲では詳しく示されていません。

まとめ

社内のセキュリティ専門家が2年前に問題を指摘していたにもかかわらず、それを運営に反映できなかったことを、代表自らが認めた会見でした。補償の方針は示されましたが、侵入から発覚まで2か月かかった理由や具体的な再発防止策は、今後の説明を待つことになります。

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参考にした報道